美しい数学入門 (岩波新書) 伊藤 由佳理 (著)、岩波書店 現代数学の魅力、面白さと美しさ
今日読んだ本、美しい数学入門 (岩波新書) (伊藤 由佳理(著)、岩波書店)の感想。
数学の美しさを再認識したいと思って本著を読んでみることに。数学は美しいとも面白いとも思うけど、面白さを感じることの方が多い気がするから、美しさを感じて釣り合いを取れることを期待。
新書だから当然と言えば当然だけど、本著を手に取ったとき、この薄さ、分量、頁数で本当に現代数学の美しさを感じ取れるか、入門できるかちょっと不安に。ただ、読み終えたらそんな不安を感じる必要はなく、十分に美しさを感じることができて満足。
入門とあるように、内容は難しくはなく、特別に数学が好きではないという人ではない限り、問題なく読むことができそう。また、入門とあるけど、既に現代数学に入門している人にとっても役立ちそうな一冊。入門したばかりだと、抽象的な話が多くて何が何だかよく分からなくなったり、その本来の美しさを見失ってしまうこともあるかもしれないから。そういう時に一息入れるために、あるいは気分転換に本著が役立つかも。美しさを感じとることができれば、抽象的でよく分からなかったことの意味が見えてくる良いきっかけに。
出てくる分野は集合、群、線型代数等の内容だけど、欲を言えば集合だけではなく圏論もちょっとだけでも取り上げてくれてたら嬉しかった。頁数の関係か、美しさが伝わりにくいからか、あるいは群や線型代数などの集合の話の後に続く話に集合の話が必要だから集合が出てきたからか、何らかの理由があるのかもしれないからしょうがないのかもしれないけど。
ということで、どちらかというと美しさより面白さの方に数学の魅力を感じていたけど、本著により数学の美しさも再認識できたり、新たな美しさを感じることができて、より数学に魅力を感じることができて良かった今日この頃。